おうちにかえろう
4人が一斉に反応した。
一斉に、視線を檜山に向けた。
さっきまで心地良さそうに眠っていたはずの檜山の顔は苦しそうに歪んでいて、窮屈そうに体を動かそうとしていた。
寝返りは、ソファーの背もたれに阻止されて不発に終わり、またもとの位置に納まる。
(…起きるかと思った…)
全員が、落ちたら支えようとしていたらしく、中途半端な体勢のまま固まってしまっていた。
どうやら、また眠りが深くなったらしい。
眉間に寄っていた皺がすっとなくなって、そのまま、さっきみたいな安らかな寝顔に戻ると思ったのに。
「……、めんなさい……パパ……」
小さな小さな言葉と共に零れた涙がじんわりと、ソファーを濡らした。