おうちにかえろう
―――どうしよう。
家を出て、2週間も経っていないのにこんなにも帰り辛いなんて。
“帰る”という言葉を使うことにすら
抵抗を覚えるなんて。
(……“一度”……か…)
ただ、“帰ってきなさい”とは、言ってくれないんだ。
そんなの、分かっていたけれど。
多分、いや、絶対、いい話ではないだろう。
行かない方がいいのかもしれない。
その方がいいと、私の勘が言っている。
分かっているのに…
今から時計を気にしてしまうなんて、私は本当に、大馬鹿者だ。