奪取―[Berry's版]
 春花がストーカー被害を受けており、人物を特定してほしい、と。
 本来ならば、警察へ届けるべき問題でもある。だが、事務所としては騒ぎが大きくなり、春花のイメージが傷つく可能性を考え、探偵と言う手段を選らんだと言っていた。もちろん、これは本人の希望でもあると。
 1ヶ月ほどの調査の後、ストーカー行為を続けていた人物の特定に喜多たちは成功した。幸いと言って良いだろう。対象者は粘着気の強い、変質的なタイプの人間ではなかった。一定の期間、奉仕活動に従事していただくと言う軽いお灸で、対象者は自分の過ちを正すに至った。
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