奪取―[Berry's版]
どんな内容の奉仕活動だったのか……実のところ、喜多は関わっていないので把握はしていない。この件を、どこからか聞きつけた祖父の「俺に任せておけ」との言葉を信じ、喜多が一任したからだ。眸を輝かせ、不適な笑みを浮かべながらも。様々に連絡を取り奉仕活動の内容を模索していた祖父のことである。きっと、喜多には予想も出来ないものだったことだろう。知らぬが仏だ。
 以上の報告を済ませ、調査料を貰いうけ、一件落着と両手を叩き落ち着きを見せた数日後。喜多は連絡を受けたのだった。
 春花張本人からであった。

 探偵業務に関し、喜多と従兄弟である箕浪の役割分担は決まっていた。依頼者との交渉や報告などの接触は喜多が。調査などの実行は箕浪が、行っていた。
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