奪取―[Berry's版]
21.陥落
乱暴に開けられたドアの閉まる音が、無人の廊下を響き渡る。予備室として確保されていたホテルの一室。その部屋の中で、絹江は喜多の唇を受け止めていた。先ほど、喜多の手によって開閉したドアへ背を預けながら。言葉を挟む余裕もなく、時折唇へ歯を立てられるほどに乱暴な口付けを。
会場内で、絹江の肩へかけられた喜多のジャケットが、滑らかな肌を伝い落ちる。頤を掴んでいたはずの喜多の手が、顕になった背中へ回った。遠慮することなく、その手は絹江の素肌の感触を楽しむ。当たり前のように、掌は続けて腰まで下りてゆく。ぴたりと身体にフィットしていた服の僅かな隙間へ手を差し込み、無理やりに臀部を鷲掴んだ。同時に、当然のように耳へ届いた音から、絹江は服の生地が裂けたことを認識する。
会場内で、絹江の肩へかけられた喜多のジャケットが、滑らかな肌を伝い落ちる。頤を掴んでいたはずの喜多の手が、顕になった背中へ回った。遠慮することなく、その手は絹江の素肌の感触を楽しむ。当たり前のように、掌は続けて腰まで下りてゆく。ぴたりと身体にフィットしていた服の僅かな隙間へ手を差し込み、無理やりに臀部を鷲掴んだ。同時に、当然のように耳へ届いた音から、絹江は服の生地が裂けたことを認識する。