奪取―[Berry's版]
何故なら、絹江は肌襦袢しか身に着けていなかったからだ。重ねて、和装下着も身に纏っていたことは、不幸中の幸いだった。若干下がっていたブラジャーのチャックを、急ぎ引き上げたのは言うまでもない。
絹江の行動を黙って眺めていた喜多は、大きくため息を零してから『真実』を語り始めた。
「言っておくけれど。俺が脱がせたわけではないからな。『そのまま横になったりでもしたら、皺になるよ』の俺の言葉に反応したきぬちゃんが、自分で脱ぎ始めたんだ。俺は、床に放置されてかわいそーな着物たちを回収してハンガーに掛けただけ」
「……すみません。えっと……補正は?」
喜多の指した先には、補正に使われたファンデーションや腰パット、タオルが重なり置かれていた。丁寧に畳まれている様が、また、絹江を居た堪れなくさせる。
絹江の行動を黙って眺めていた喜多は、大きくため息を零してから『真実』を語り始めた。
「言っておくけれど。俺が脱がせたわけではないからな。『そのまま横になったりでもしたら、皺になるよ』の俺の言葉に反応したきぬちゃんが、自分で脱ぎ始めたんだ。俺は、床に放置されてかわいそーな着物たちを回収してハンガーに掛けただけ」
「……すみません。えっと……補正は?」
喜多の指した先には、補正に使われたファンデーションや腰パット、タオルが重なり置かれていた。丁寧に畳まれている様が、また、絹江を居た堪れなくさせる。