猫とつかの間
猫は「クロ」と名付ことにした。
単純な話、身体が黒かったからだ。

クロは日に日に成長していって、ついには立派なオスネコへと成長した。
僕はそんなクロの姿をみながら、つかの間のひとときを過ごしていた。

やがて。
クロはどこかへその姿を消していた。

猫は亡くなる前に飼い主の前から居なくなる存在らしい。
僕は、変わらなかった。

いずれ、老いて人は死ぬ。

そんなものは、2度と訪れない。


僕はクロの存在していた跡を確認しながら、また今日も終わらない生を、身にしみていた。
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