あたしは、あんたのもの。
あたしの姿を見ると彼は急いで立ち上がって近づいてきた。
顔や腕、足に張られたガーゼや巻かれた包帯を見て、宗次朗はシュン、とした顔をした。
その顔に胸がキュンッとする。
彼は優しくあたしの肩に腕を回して、二人で病院を出る。
松葉杖を付きながらきごこちなく歩くあたしのフォローをしながらする宗次朗。
そんな彼を見ながら、あたしはもう少し、もう少しだけこの腕のなかにいさせて、と願わずにはいられなかった。