あたしは、あんたのもの。
義父のおかげで何不自由ない生活をしていた。
けどいつからか少しずつ母の姿を見なくなり、ときには1週間も姿をあらわさないこともあるようになった。
義父に聞いてみても知らないの一点張りで、少しでもしつこくしてみると怒鳴られる始末。
まだまだ小学生だったあたしは一人で家事、料理や買い物などを覚えていった。
そして、ある雨の日中学校から帰ってきてみたら。
母親は大きな旅行カバンを持ちながら、見たことのない赤いスポーツカーに乗り込むところだった。