あたしは、あんたのもの。
「今日だったっけ?おめでと!はいっ」
そう白々しく言って、母は財布から太いお札の束を取り出してあたしの手に乗せた。
「え、お母さん、どこか行くの...?」
不安になって小さな声で聞いてみると、母は大きな笑顔を浮かべた。
「急だけど、お母さん出てくから。けいたと元気でね!」
それを聞いて、あたしは軽くパニックに陥ったことを覚えている。
「え?出てくって、どういうこと??お母さんどこ行くの?!!」