あたしは、あんたのもの。
「あんたなんか、産まなきゃよかったのよ。全部私の選択が悪かったのよ。あんたなんか、もういらない」
最後にそういわれて、母はクルリ振り返ってピカピカ光るスポーツカーに乗り込んで、あたしの人生から去っていった。
その日受け取ったお金は、今でも机に納めてある。
いつの日か、まったくいらないものにパーっと使おうと思っている。
そんな昔のことを思いながら、あたしはしばらくそのままドアに寄りかかったまま泣き続けた。