あたしは、あんたのもの。





聞き覚えのある声に、あたしはギクッと立ち止まった。







振り返ってみると、案の定そこには宗次朗以上に会いたくない人、夏帆ちゃんが仁王立ちしていた。







「ちょっと、ついてきてくれない?話があるの。」







頭の両サイドに結ったクリーム色のふわふわした髪の毛を可愛らしく揺らしながら彼女はそう言って、非常階段のほうへと歩き出した。








小さい身体のくせに結構早く歩く彼女についていき、非常階段にたどり着く。










夏帆ちゃんはしばらく何も言わなかった。









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