あたしは、あんたのもの。







慎重に言葉を選んで返事をする。





「なんでも、ないよ。」






あたしの返事に彼女は「うそだ!」と泣き出すわけでもなく、「知ってるんだから!」と殴ってくるわけでもなく、静かに可愛らしく首を傾げた。






「そうなの?夏あたりから付き合ってるのかと思ってた。」






「はっ?」






彼女のあまりにも普通な反応にあたしは思わず普通に反応してしまった。






まるで彼は自分の彼氏ではないような、その言葉。









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