あたしは、あんたのもの。
女は恥ずかしいのか男の動きから逃れようとするが、
やがて動きを止めない彼に快感の表情が少しずつ顔に戻ってくる。
・・・・誰でもねぇ、か。
あたしはそのまま居間に父と知らない女を残し、マンションを飛び出した。
上履きこそ履いたものの、傘を忘れてしまい、数分もたたないうちに骨までびしょ濡れだった。
けど、心まで凍ってしまっているあたしには、そろそろ違いがわからなくなっていた。