あたしは、あんたのもの。





かなりな時間がたって、隣の彼がポツリ、と口を開いた。






「雨、好きなのか」







その質問に、あたしは心が少し温まる気がした。









捨て猫みたいに雨の中座り込んでいたあたしに、何であんなとこにいたんだ、とか聞かずに、あえて遠回りして聞いてくれている。







瞬間、彼が優しい人だとわかった。









「今日で、嫌いになっちゃったかな...」








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