善いヴィッチ
買い物袋を右手に、鞄を左手にスーパーを出ると。

「うわっ」

外はもう豪雨だった。

さっき貰った黒糖飴と同じくらいなんじゃないかってくらい大粒の雨が降り注ぐ。

雷まで鳴っている本格ぶり。

「間に合わなかったねぇ」

苦笑いする僕。

この分だとしばらくは止みそうにない。

雨宿りしていると暗くなってしまいそうだ。

「…走って帰る?荷物持ってあげるよ」

そう言う僕に。

「じゃあ」

氷室さんは荷物を渡しながら。

「私の家に寄っていって」

そんな事を言う。

< 17 / 50 >

この作品をシェア

pagetop