善いヴィッチ
そんな事より、どうでもよくないのは目の前の席の佐々木さんだ。

キンパのショートカット、程良く焼けた小麦色の肌。

如何にも夏休み遊んでましたと言わんばかりのギャル風の外見だ。

授業中、襟足から覗く項が色っぽい。

二学期の始業式の朝、彼女はいつものように元気よく登校してきて、僕の顔を見るなり。

「わーい見て見て~♪めっちゃ焼けた♪」

と、ブラウスの肩をずらして、日焼け跡を僕の目の前で披露してくれたものだ。

教室、他の皆もいる前で。

男子達は佐々木さんの生肌に、おおっ、とどよめき、僕は僕で思春期なもので、『息子』が目覚めてしまって困ったものだ。

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