善いヴィッチ
「ん?」

背中への熱い視線に気づいたのか。

佐々木さんは振り向く。

「何?若本」

「え、いや…」

僕は慌てて目を逸らす。

「見てたっしょ?」

そう言ってニカッと笑う佐々木さん。

肩越しどころか、上半身を大きく捻じって僕の方を見る。

そんなあからさまに余所見してたら、教壇に立ってる古文の先生に叱られるよ…。

でもそんな事はどうでもいいのか。

先生の目を盗んで、佐々木さんは素早く。

「ほら、ここも真っ黒♪」

ぴら、と。

短いスカートを捲って太股の付け根まで日焼けしている事を確認させてくれた。

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