善いヴィッチ
ポンと僕の太股に手を置いて。

「いつも頑張り過ぎなんですよ」という台詞を添えてくれる。

君は天使か、氏家さん!

ボッチな男を無理やり会話の輪に加えようとしているのかと思っていたけど、他の連中が自分は自分で盛り上がる中、氏家さんは僕から離れようとはしない。

僕と話そうとして、隣に来てくれた?

それとも憐れんで相手してくれてるだけ?

どっちなんだろうと判断に迷う中。

「浜谷君、ちょっと相談があってですね…」

彼女は二人きりの話に持ち込む。

バイトの事とか大学の事とか、何かしら相談を持ちかけてくる。

二人だけで話し込んで、寧ろ一番楽しんでいるような雰囲気が出て、何となく僕も満足できる。

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