善いヴィッチ
そう言いつつも、前回の飲みもホテル代も、里奈さんは自分の分はキッチリ出してくれた。

言動とは裏腹に、その辺は弁えている。

見かけよりもキチンとした女の子だろうというのが僕の見解。

「それともアレか?飲みだけじゃ物足りないなら…」

鞄の中からゴムを取り出し、チラチラと僕の前で見せる里奈さん。

「ぜ、前回一回限りって言ってたんじゃないですかっ?」

ゴムを里奈さんの鞄に押し込んで隠しながら、僕は狼狽する。

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