シアワセの答え
吉岡くんすごく困った顔してる…。
そりゃそうだよね、今日出会ったばっかりの人にこんな話されて普通でいられるわけないよね。
「あの、帰りま…」
「お前は…上村はそれでいいのか?」
「え?」
「母親の勝手で急に生活環境が変わって、戸惑って、それで寝れなくて外に出てたんだろ?」
「…はい」
「それでいいのか?それでお前は、幸せになれるのか?」
幸せ…?
そんなの、私が望んでもいいの?
だって、ずっとずっとひとりだった。
高校に入学してやっと自分を好きになってくれる人を見つけたのに、自分が好きになった人を見つけたのに、それさえも許されなかった。
幸せなんて―――私は望んじゃいけないと、ずっとそう思って生きてきたのに…。
「し、幸せに…なりたいっ…もう、辛いよ……嫌だ…」
それは、私が始めてはいた“弱音”だった。