シアワセの答え




私は、吉岡くんから体を離して立ち上がった。



「上村!」

「前田さんの家は出ます。中途半端な気持ちで、私の事を大切にしようとしてくれる人の娘にはなれないから」

「どこに住むんだ?」

「母親に一緒に住めないか頼んでみます。私のお母さんはあの人しかいないから」



私はそれだけ言って家を出た。

すっきりした。吉岡くんは優しくて、初めて人前で泣いてしまった。
恥ずかしい…。



「おい、上村!」

「え?」



家の扉の前の手すりから身を乗り出して吉岡くんがこちらを見ていた。



「頑張れよ!俺も頑張るから!一緒に幸せになろう!」


私はその言葉に頷いた。

もう人に見せないと誓った涙がまた、溢れだしてきた。
なりたい。吉岡くんと幸せに…



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