シアワセの答え
「柳瀬、自己紹介をしなさい」
「えーと、僕は柳瀬臨太郎です。元々はこの高校に通う予定だったんだけど、いろいろあってアメリカに行って戻ってきました」
女子は臨太郎の話に釘付けだ。
あの童顔に帰国子女だなんて…狙いがまた増えたと言わんばかりに、彼女たちの目はギラギラとしていた。
「柳瀬の席は…お、良かったな、原田の隣だ」
「えっ、ほんとに?えへへ、やったぁ」
そう言った臨太郎の笑顔に男子までもが頬を染めていた。
「あーずさっ、久しぶりだねっ!」
席に座るなり、こちらを覗き込んできてキラキラの笑顔でそう言う臨太郎。
―――もしこれが、無意識だと言うなら、彼は悪魔だ。