シアワセの答え
「有効もなにも、約束でしょ?」
「でもあれは小さい頃だし…」
「僕はずっと梓が好きなんだよ?なのに、今更その話はナシですなんて言われても…僕…」
「あぁ、もうっ。ここで泣かないでよ」
臨太郎、全然変わってないな…なんか、昔に戻ったみたいでちょっと嬉しいかも。
「あ、それよりどうして日本に帰ってきたの?」
「ん?そんなの簡単だよ。僕ね、梓が近くにいないとダメだって気付いたんだ。だから帰ってきた」
さらっとギザなことを言って…言われるこっちが恥ずかしい。
「そ、そうなんだ…」
「まぁでも。僕がいない間に彼氏とラブラブしてたなんてね」
臨太郎が思ってるほどあたし、礼央とラブラブしてないよ。
一緒に登校して一緒に下校して。
お昼一緒に食べて。
好きって言われたことはないし、デートもしたことない。
あたしたちはちょっと特別な友達みたいな感じ。
「梓?」
「え?あ…ちょっとぼーっとしちゃった」