きょうの、ぼく。

勇者は強いんだ

小さい頃からそんなイメージがあって
すぐに助けてくれるのに


こんなに弱いのですか、私が求めた勇者は!

「いってえー!そこの女、弱い言うな!」
「すいません」

何故私が謝らなきゃいけないのだ
物凄く勢いで殴られた勇者は
頬を真っ赤にして痛がっていた

「ほらねー、勇者ごっこしてる奴はよわっちいーんだよー!」
「弱いね」

女のくせになんて握力だ
しかも、か弱そうな女の子を殴るとは

「殴るだけでいいのかっ?」

手放したモップを拾って
有り得ない事を口にした。Mか

「まあ、お前らは悪い事してないもんな。殴るだけで、僕を許してくれるんか?」
「はあ!?」

意外な勇者の言葉に凍り付いた
何で、こんな奴らを・・・

「んじゃあ、僕達は行くでな。アーデュー!!」

そういうと口に干し芋をくわえ
私の腕を引っ張り、教室から出ていく
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