吸血鬼は淫らな舞台を見る


「どうだった?なにか掴んだか?」

 サトウは運転席から瑠諏の顔を覗き込む。


「ええ、いろいろわかりました。この町でPCを使ってインターネットができる店はありますか?」


「文化センターの図書スペースにPCがあるはずだ」


 あまり表情を変えない瑠諏がサトウのひと言でニコッと微笑んだ。


 警察、消防署、役所や病院などの主な公共機関が建ち並ぶ一画に多目的なホールを備えた建物があった。


 町民の交流の場として会議室、展示ギャラリー、そしてホール手前のサロンにはゆったりとしたクッションが心地良いのか長椅子でくつろぐ年配の人たちの姿が目立つ。
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