吸血鬼は淫らな舞台を見る
開いたドアを盾にしてサトウは顔半分だけを相手に見せる。
「すいません、警察の者ですが……」
サトウは警察手帳を出した。
【POLICE】と刻まれたバッジの重みで自動的に縦型の手帳が開いた途端、拳くらいの直径の鉄パイプがドアの板を突き破ってきた。
「うっ」
先端の円形部分が鳩尾に直撃したサトウはうずくまる。
瑠諏はすかさず鉄パイプの先端を掴み、あっさりと引っこ抜いた。
連動した動きでドアを蹴り、相手もろとも吹き飛ばす。