吸血鬼は淫らな舞台を見る


「それは出来ない相談だ。というより不可能な相談だ」


「はぐらかすな」


「本当だ。おれもよく知らないんだ」


「嘘をつけ!」


「さっき、君を信頼していると言ったばかりだろ。それにいずれ歴史が証明してくれることになる」


「まぁ、いい」

 老人は興奮した自分を恥じるように下を向く。


「そんなに知りたければ、おれたちの仲間になれよ」

 男は乱杭歯から粘り気のある涎を垂らした。
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