吸血鬼は淫らな舞台を見る
「聞き込みはいったん中止だ」
「はっ?」
「これから現場荒らしがやってくる」
「現場荒らし……ですか」
「アドバイザーとして奴ら、いや、吸血鬼が捜査協力してくれるんだとよ」
「吸血鬼……」
もっと詳しい経緯を知りたかった原田だが、いまサトウを刺激するのは好ましくないと判断して質問するのをやめた。
それにしても事件が起こることを予測していたみたいに根回しが早いな。
サトウは納得できない感情をどこで爆発させたらいいのか迷っていた。