吸血鬼は淫らな舞台を見る
鏡越しに本物のジョン・ドゥを見ると手に赤いランプが光るマッチ箱程度のリモコンを握っていた。
起爆装置?!
「吸血鬼は自殺できないぞ!」
ジョン・ドゥ顔の瑠諏は大声を張り上げ、骨と皮だけになってすでに元の顔を失ったジョン・ドゥに吸血鬼としての本能を喚起した。
すると、本物のジョン・ドゥが由貴に向かってとんでもない言葉を口走った。
「ア、アイ……シ……テル」
しかも、瑠諏の声色を使って。