吸血鬼は淫らな舞台を見る
“絶対に見つけてやる!”
サトウは独特な秩序が飛び交うAK地区へ足を踏み出す。
「警部補、待ってください!」
振り向くと原田が駆け寄ってくる。
「なんだ?」
サトウは不機嫌そうになる声を押し殺した。
「ぼくも瑠諏を捜します」
「仕事は残ってないのか?」
「事務の仕事はいつでも速攻で解決できますから」と原田が微笑む。
「そうか」
サトウは穏やかな笑みをこぼした。
2人がAK地区の繁華街へ向かう足は自然と軽くなった。