吸血鬼は淫らな舞台を見る
瑠諏が聞いているはずのない2人の会話を暴露されたことで、サトウは気味の悪さを感じ、原田の顔は青ざめた。
「どういうことだ?」
サトウは非難する視線を原田に向けた。
「すいません」
原田が頭を下げてもサトウの表情は緩まない。
「許してあげてください。原田さんは報告書に書くのが億劫(おっくう)になっただけですよ。現場では熱心に仕事をしています。ただ、事務的な仕事が苦手なだけです。それに大声で叫んだ人は犯人じゃありませんし」
原田のかわりに瑠諏が許しを請う。