吸血鬼は淫らな舞台を見る

 サトウはしばらく腕組みして考え、ため息まじりに言った。

「署に帰ってからじっくり説明してもらうぞ」


「はい」

 原田は心から反省している返事をリビングに響かせた。


「それでは被害者の両親に会いに行きましょうか」


「待て!おまえが仮死状態で見た映像は証拠の裏づけにならないぞ」

 リビングから出ていこうとした瑠諏をサトウが呼び止める。


「なりますよ」


「あのなぁ……」と、サトウは呆れ顔。
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