愛証~NO1に愛された姫~
そして袋を渡そうと彼に差し出すと
「それはお前にやる、見逃してくれた礼だ」
私が断ろうとすると、ルイくんとリエちゃんが
「愛理、貰っときな」
「そうだよ!そうしなよ!!」
と言われ素直に受け取る事にした
「じゃあいただきます、ありがとうございます」
「あぁ」
そう言って彼は店を出て行った
黒髪の彼が出て行ってから、今まで放心状態だった金髪さんと茶髪さん二人があとを追って出て行った
「ありがとうございました~」
彼らがいなくなってから、私は手に持っている袋を見つめた
お、お菓子~~やった~!!
雷にいっぱい食べさせてあげられる~!!
まだ5歳の雷だけど、贅沢はさせてあげられないんだ・・・
私の今の稼ぎじゃお菓子なんて買えない
私の学費と雷の幼稚園のお金は、親戚のおばさんに払ってもらってるから、生活費だけは自分で稼がなきゃって思ってる
でも実際はすごく大変で・・・
でもこのお菓子を見たら、雷は大喜びするかも!!
そう思っていた私に、リエちゃんは
「愛理ちゃん、すごいねー!音弥さんに買ってもらえるなんて~」
と言っていたけど、私は雷の喜ぶ顔を想像していたから何も聞き返さなかった