あたしのトナリ。
 案の定駅まで歩くと全身ぐっしょりで、売店でビニール傘でも買おうとしたけどやっぱり売り切れていた。時々すれ違う出勤途中のサラリーマンがビックリしてあたしを振り返ったけど、それも構わずになんとか家に帰った。
 その次の日。
「おはようございまーす」
 腰の痛みは治ったものの、二日酔いが治らず痛む頭を押さえて出勤すると、慧子さんと由香里さんが心配そうに話しかけてきた。
「おはよう、麻衣。おととい大丈夫だった? ちゃんと帰れた?」
「フラフラだったもんねぇ~、まともに立ってなかったもん」
「あ、あたしは大丈夫です。ご心配おかけしてすみません」
 ふたりの口ぶりからして、あたしと宮地さんに何かあったことは知らないっぽい。
「あの、あたし実はおとといのことあんまりよく覚えてなくって……よかったら教えてほしいです」
 と言うと慧子さんと由香里さんはお互いの顔を見て、渋い表情であたしを見た。
「麻衣ちゃん本当になんにも覚えてないの~?」
「はい……ごめんなさい」
「私たちから言うのもなんなんだけどさ……」
 慧子さんは話しづらそうに、おとといあったことを話し始めた。
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