恋しちゃった。
「そういやさ、学校どこ?」


「え、えっと…西南女子」


それだけ言うと彼はにっこり笑った。



「良かった。俺には嘘じゃなくて本当のこと言ってくれて」



「ちょ、ちょっと…あなた…知ってて聞いたわね?!」



「西南女子の制服知らない人の方が少ないだろ。
ここらへんじゃ有名じゃん。お嬢様学校で。

ついでに俺は浅川高で風間晃。よろしくな」



「え、……あ、うん…。よろしくお願いします…」



やっぱり高校生なんだ…。



…学年は?
兄弟はいるの?
何部?
どこに住んでるの?
誕生日は?


いろいろ聞きたい。

たくさん話したい。



でも。

まだ心臓はバクバクしてて、体は熱い。


また、変なこと言っちゃったらどうしよう。



臆病者でちっぽけな私。

そんな自分がたまらなく嫌い。



「勇気」「自信」


これだけが欲しいの。

今だけでいいから…。






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