あの頃…
「何か以前の手術に問題でも見つかったんですか」

カルテをめくりながら問う

「いや。手術は完ぺきだったよ。ただ」

「その時から再手術の可能性は大いにあったんだ」

そうならないことを切に望んでいたけれども

そう言ったのは、塔矢の言葉を引き継いだ海斗

「ええっと、それでどうして私がここに」

「それはもちろん、第一助手だよ」

「え」

にっこりと笑顔を見せるのは、塔矢

その隣で落ち着いた瞳を向けてくる海斗

さらにその奥、面白そうに瞳を細めるのは、荒井

「……ええ!!」

狭い空間に声が反響する

「ちょ、ちょっと待ってください!!私が!?第一助手!?しかも黒崎先生のですか!」

「当たり前。立花先生なら簡単でしょう。黒崎にずっとついて回ってたんだから」

何の疑いもない瞳を向けてこないでほしい

「それってERで研修してた少しの間じゃないですか!!」

前の手術の時の第一助手の人は!?その人に頼めばいいじゃないですか!
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