あの頃…
処置は無事に終わり、ICUに移動した患者を眺めていると
隣に立った海斗が無言でカルテを手渡してくる
「私の担当、ですか」
反射的に受け取ったカルテの名前を見て視線を上げる
見つめてくるブラウンの瞳には驚きが混ざっている
「ああ、そろそろ患者を担当してもいいだろ。それに、目には目を、歯には歯をっていうしな」
失礼なような気もしないでもない言葉を紡ぐ海斗の視線は麻酔の切れていない患者に向いている
「黒崎先生、この患者の子宮は」
「幸い傷もそんなに深くなかったし、感知すれば今後何ら問題もない」
海斗の言葉にしるふが安心したようにふと息をつく
一瞬で明るくなった顔に、なんてわかりやすい奴だと思う
「でも、なんであんなに子宮が傷ついてたんでしょうか」
いくらなんでもひどすぎる
「金がなくて安いとこの医者にかかったらヤブだった」
そんなとこだろ
そう言い残して去っていく海斗の背を数秒見つめてから
「ちょ、くろざっ…!!」
追いかけようとして患者が低くうめいたことに足を止める
どうやら麻酔が切れたようだ
隣に立った海斗が無言でカルテを手渡してくる
「私の担当、ですか」
反射的に受け取ったカルテの名前を見て視線を上げる
見つめてくるブラウンの瞳には驚きが混ざっている
「ああ、そろそろ患者を担当してもいいだろ。それに、目には目を、歯には歯をっていうしな」
失礼なような気もしないでもない言葉を紡ぐ海斗の視線は麻酔の切れていない患者に向いている
「黒崎先生、この患者の子宮は」
「幸い傷もそんなに深くなかったし、感知すれば今後何ら問題もない」
海斗の言葉にしるふが安心したようにふと息をつく
一瞬で明るくなった顔に、なんてわかりやすい奴だと思う
「でも、なんであんなに子宮が傷ついてたんでしょうか」
いくらなんでもひどすぎる
「金がなくて安いとこの医者にかかったらヤブだった」
そんなとこだろ
そう言い残して去っていく海斗の背を数秒見つめてから
「ちょ、くろざっ…!!」
追いかけようとして患者が低くうめいたことに足を止める
どうやら麻酔が切れたようだ