あの頃…
「あ、立花先生、お電話ですよ」
ナースステーションの前を通ると顔なじみになった看護師がひょっこりと顔を出す
「ええっと、元指導医だっていえば分かるって言うんですけど」
男性です
そう言って手渡たされる受話器
受け取りながら思い出すのは、あの漆黒の瞳
名前くらい名乗ればいいのに
でも、まあ黒崎病院ER勤務黒崎海斗なんて言ったらナースステーションが大騒ぎになるし
それに巻き込まれるのはごめんだし
果たしてこれは海斗なりの気遣いなのか、ただ単に海斗自身が面倒事に巻き込まれたくないと思っているか
どちらなのだろうか
ともあれそこら辺が海斗らしいと思いながら
「お待たせしました。立花です」
受話器を耳に当てる
「元気か、立花」
聞こえてきたのは落ち着いた声音
懐かしい、というより単純に声を聞けてうれしいと思った自分が居た
「はい。黒崎先生もお元気ですか」
「相変わらずだ」
それは忙しいけれどひとまず体調は崩していない、ということか
ナースステーションの前を通ると顔なじみになった看護師がひょっこりと顔を出す
「ええっと、元指導医だっていえば分かるって言うんですけど」
男性です
そう言って手渡たされる受話器
受け取りながら思い出すのは、あの漆黒の瞳
名前くらい名乗ればいいのに
でも、まあ黒崎病院ER勤務黒崎海斗なんて言ったらナースステーションが大騒ぎになるし
それに巻き込まれるのはごめんだし
果たしてこれは海斗なりの気遣いなのか、ただ単に海斗自身が面倒事に巻き込まれたくないと思っているか
どちらなのだろうか
ともあれそこら辺が海斗らしいと思いながら
「お待たせしました。立花です」
受話器を耳に当てる
「元気か、立花」
聞こえてきたのは落ち着いた声音
懐かしい、というより単純に声を聞けてうれしいと思った自分が居た
「はい。黒崎先生もお元気ですか」
「相変わらずだ」
それは忙しいけれどひとまず体調は崩していない、ということか