あの頃…
おまけ

次の日…

「立花先生、今度お昼一緒にどうですか」

「あ、え?」

困惑を浮かべる瞳は数年前と何も変わらない

「何が成長したなーだ。3年前と少しも変わってないじゃないか」

「まあまあ。それが立花先生のかわいいところですよ」

なんて第3者的視線でしるふを眺めている海斗と莉彩の会話である

にじみ出る呆れと諦め

「まったく、どうしたもんか」

ふ、と嘆息するのは何回目だろう

ため息は幸せが逃げるから、とよく知るふは言うけれど

この胸に溜まった苛立ちを諦めをどう消化できようか

「相変わらずですねえ、黒崎先生」

向けられる苦笑はしるふよりさらに下から

「ああ、全く」

あの姫君を、最終的に放っておけない自分が

しるふだからと説明がついてしまう自分が

しるふだからたとえらしくなくてもいいのだと思える自分が

そんな自分がいちばんどうしようもない

それがわかるからさらにどうしようもない

「ああ。本当、どこで間違ったんだか」

何気なしにつぶやいた海斗の言葉に、莉彩が小さく笑う
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