あの頃…
「それがどうしたんだよ」

「あまりに処置の仕方がひどかったからな。連絡しておいたんだ、警察に」

「だから…!!」

店の外、遠くの方から高い音が聞こえる

「そしたら医師免許も持たない偽医者だったらしく、お前にも話を聞きたいんだと」

で、ついでだから

「ここにいることを教えておいた」

だんだんと聞こえる音が大きくなっている気がする

「お似合だろう。お前みたいな男の最期には」

ダン、と紙切れをカウンターに叩きつけて海斗が踵を返す

「立花」

「…はい!!」

呼ばれてはたと現実に立ち戻る

海斗の漆黒の瞳が無言でさっさと来い、と告げていて慌てて後を追いかける

カラン、とドアに取り付けられたベルの音が

虚しく店内に響いた
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