あの頃…
とかいいつつ
そっと手を当てた頬は、心なしか熱い
そんなことあってたまるか
自分の指導医に
しかもあんな落ち着き払った余裕の塊なんかに
落ちるなんて
あってたまるもんか
大きく息を吸って吐き出したのは、何回目だろう
見上げた空は、青く澄んでいる
「立花」
ぼーと空を見上げていると低い声がかかる
「ひ!!」
がたん、と派手になるのは床が木造のせいか
「く、黒崎先生…!!」
驚かせないで下さいよ!!
視線をやれば片手にカップののったトレーをもう片方に薄いパソコンを持っている私服姿の我が指導医
その漆黒の瞳が少しあきれ交じりに見下ろしてくる
「どんな声のかけ方したって驚くだろう」
あんな風にぼーっとしていれば
「だからってもう少し、こう、気配を出すとかですね!」
やり方ってものがあるだろう
「いつも気配を消しているつもりはないが、それに気がつかないのは立花だ」
そう言いながらテーブルの空いているところにトレーを置く
そっと手を当てた頬は、心なしか熱い
そんなことあってたまるか
自分の指導医に
しかもあんな落ち着き払った余裕の塊なんかに
落ちるなんて
あってたまるもんか
大きく息を吸って吐き出したのは、何回目だろう
見上げた空は、青く澄んでいる
「立花」
ぼーと空を見上げていると低い声がかかる
「ひ!!」
がたん、と派手になるのは床が木造のせいか
「く、黒崎先生…!!」
驚かせないで下さいよ!!
視線をやれば片手にカップののったトレーをもう片方に薄いパソコンを持っている私服姿の我が指導医
その漆黒の瞳が少しあきれ交じりに見下ろしてくる
「どんな声のかけ方したって驚くだろう」
あんな風にぼーっとしていれば
「だからってもう少し、こう、気配を出すとかですね!」
やり方ってものがあるだろう
「いつも気配を消しているつもりはないが、それに気がつかないのは立花だ」
そう言いながらテーブルの空いているところにトレーを置く