あの頃…
閑話
こんこん
規則的な小さな音が聞こえる
ような気がする
しかも自分の体を通して聞こえてくる
一体、何なんだろう
そっと目を開ければ
「…黒崎先生?」
暗闇にぼんやりと浮かび上がる少し懐かしい姿
…暗闇?
「…もう夜!?」
ばっと窓の外を見れば浮かぶ街灯の明かり
途端再び頭に乗るカルテか本
「…痛いです」
「図書室で騒ぐな」
視線は一度だって交わらない
でも、それでも十分だ
「別に寝ても構わないが貴重な資料、汚すなよ」
そう言いながらしるふのひとつ前の椅子に腰かける
「失礼な。たとえどんなに疲れてたってよだれなんて垂らしませんよ」
小さな勉強机を挟んだその先の懐かしい横顔
夜の暗闇と同じ漆黒の瞳
「だといいんだがな」
声音はこの会話を楽しんでいる、そう思っていいだろうか
規則的な小さな音が聞こえる
ような気がする
しかも自分の体を通して聞こえてくる
一体、何なんだろう
そっと目を開ければ
「…黒崎先生?」
暗闇にぼんやりと浮かび上がる少し懐かしい姿
…暗闇?
「…もう夜!?」
ばっと窓の外を見れば浮かぶ街灯の明かり
途端再び頭に乗るカルテか本
「…痛いです」
「図書室で騒ぐな」
視線は一度だって交わらない
でも、それでも十分だ
「別に寝ても構わないが貴重な資料、汚すなよ」
そう言いながらしるふのひとつ前の椅子に腰かける
「失礼な。たとえどんなに疲れてたってよだれなんて垂らしませんよ」
小さな勉強机を挟んだその先の懐かしい横顔
夜の暗闇と同じ漆黒の瞳
「だといいんだがな」
声音はこの会話を楽しんでいる、そう思っていいだろうか