セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
ACT1*ラッシュアワー
~杏SIDE~
電車が線路のカーブを曲がる度に振られる身体。
まだまだ、朝の満員電車には慣れない。色んな匂いや香りが渦巻く車内、つり革を握る手にも汗が滲む。
「!?」
私の背後にピッタリとくっつく人の気配。
スカート越しに誰かの手が触れてくる…私の背筋には悪寒が走り抜ける。
生まれて初めて痴漢に遭遇した。
勇気を絞り、声を上げたいけど、肝っ玉の小さい私は恐怖で声が出ない。
「!?」
震える身体。足元から力が抜け落ちそうになる。何も言えない私を最高のカモだと思った痴漢は大胆にスカートの裾をたくし上げ始めた。
「おいっ!?頭に乗るなっ…」
私の近くに立っていたスーツ姿の男性が痴漢の魔の手から救ってくれた。
まだまだ、朝の満員電車には慣れない。色んな匂いや香りが渦巻く車内、つり革を握る手にも汗が滲む。
「!?」
私の背後にピッタリとくっつく人の気配。
スカート越しに誰かの手が触れてくる…私の背筋には悪寒が走り抜ける。
生まれて初めて痴漢に遭遇した。
勇気を絞り、声を上げたいけど、肝っ玉の小さい私は恐怖で声が出ない。
「!?」
震える身体。足元から力が抜け落ちそうになる。何も言えない私を最高のカモだと思った痴漢は大胆にスカートの裾をたくし上げ始めた。
「おいっ!?頭に乗るなっ…」
私の近くに立っていたスーツ姿の男性が痴漢の魔の手から救ってくれた。
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