セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「もし…予定がないなら…観に来て欲しいなぁって思ってたりして…」


杏は遠慮がちに言う。



「予定はないが…」

俺は返事に困り、語尾を濁したが…目の前の理沙ちゃんの寂しそうな瞳に負けた。



「判った。理沙ちゃんのダンス…観に行くよ」



「無理言って…ゴメンなさい」




「無理じゃないさ…」



昼間はプロポーズしたクセに…


曖昧な態度を取るなんて…杏を不安がらせるだけだろ…



俺は心の中で、決意を鈍らせる自分を責めた。








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