セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
「…杏…」



「何?」


俺は杏の肩を抱いてそのまま…ゆっくりと敷き布団の上に倒す。



自分に甘えようとする杏の身体の上に身体を組み敷いた。



「同僚から訊いたんだけど…孝典さんって社内では『氷の上司』って呼ばれてるのね」



「…俺は仕事に関しては妥協しないし、冷たいからなぁ」



俺は決して消せないマイナスの過去を持ってる。






だから、部下たちには弱みは見せず…厳しい冷酷な上司を演じ切っていた。



社内でその過去を知る藤村部長には下僕になるしかない。



でも、このまま…無能な藤村部長にずっと飼いならされていくのは嫌だった。








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