セカンド・ウエディング~彼の愛は濡れる雨のごとく~
杏と佳世も仲良さそうに話す。



俺は一人…蚊帳の外で缶コーヒーを飲んだ。



今カノと元カノの仲のいいツーショットは泥沼の昼ドラのワンシーンのよう。



何も知らない杏は佳世に信頼を寄せているのに違いない。


二人に背を向けながらも…
俺は影で佳世を一挙一等足…監視していた。





「藤ヶ谷さんって…無口な人なのね…」




「邪魔しちゃ悪いコト思って…黙っているだけだ…俺のコトは気にしないでくれ」



「3人でのんびりと食べたかったでしょ?どうしても…仄果が理沙ちゃんとお弁当食べたいって言うから…」



佳世の言う言い訳を真実か否か問う気はない。



唯…杏には何も悟られないようにしないと。



俺は神経を研ぎ澄まし佳世を密かにけん制しながら…何食わぬ態度を取るしかなかった。












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