セカンド・ウエディング～彼の愛は濡れる雨のごとく～

「貴方は…いつも一人だったわね…それは…お父さんのせい？」




「それ以外に何もないさ…」



杏と理沙ちゃんと3人…あの狭いアパートの一室で暮らし、寝食を共にして…
客観的に見ればリアルな家族ごっこ…

結婚して家庭を持てば
当たり前となる日常が


俺にとっては至福だった。



でも…その至福もあと少しでお別れだーーー・・・




「…貴方に詰め寄って…一夜を共にしようと思ったけど…止めた…」



「佳世…」



佳世は勢いよくグラスのワインを飲み干した。




「…私の携番とメルアド…消去して」




「…判った…」



自分と食事をしながら他の女のコトを考える俺に腹を立てたようだ。



「仄果ちゃんは素直でいい子だ。夫婦と言っても赤の他人だ…すれ違うコトも多いと思うが…旦那と腹を割って話をして見ろよ」