セカンド・ウエディング～彼の愛は濡れる雨のごとく～

ACT15＊ 新生活

～孝典SIDE～

美容液の商品化に未練は残るが…



もう…この会社に未練はなかったーーー・・・



俺は社長に退職届を提出。


荷物の整理をしようと執務室に居た。




父親が犯罪者だと知られるのが怖くて最低限の付き合いしかして来なかった。


人には弱みを見せないように気丈に振舞い、部下たちには『氷の上司』と呼ばれた日々ともお別れだ。




社内の連中には全てを知られ…俺にはもう何も隠すモノなどない。









引き出しを開け、不必要な書類をデスクの上に置いていく。



「これは…」




杏が俺の為に考えた保険の資料が出て来た。