セカンド・ウエディング～彼の愛は濡れる雨のごとく～

新人保険外交員だった杏。



ついこの間の話なのに…もう随分と前の出来事に思える。




俺の為に懸命に頭を捻り考えた杏の作成した資料だ…このまま…持ち帰って杏に見せてやろう…




「失礼します…」




「！？」




山脇を筆頭に部下たちが俺の執務室を尋ねて来た。





「どうした？」




『…藤ヶ谷課長…お世話になりました…これはほんの細やかな開発部一同のキモチです』




皆総出で俺に花束とプレゼントをくれた。




「お前ら…俺はクビになったのも同然の退職だぞ！？」




「藤ヶ谷課長…皆…判っていますよ！こんな退職の仕方は理不尽だって…課長は何も悪いコトをしていません…」




「山脇…」




「…俺たちが課長に代わって…あの美容液を商品化させて見せますから…任せておいてください！」